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駱駝 3章の終わり [ラクダ]

 ムジナは、右の前肢で額を押え、残りの左の前肢で一角大雪兎の体を大きく揺さ振った。
 兎、起きてよ。起きてよ、兎。
 麗しの猫を背負い、道なき道を歩いたためであろう。一角大雪兎は、何やら寝言を呟いた後、彼女に背を向け、再び熟睡し始めた。
 何のなのよ、この兎は。女の子が困っている時、大人は助けるのが務めじゃないの。私のように可愛い女の子が困っているんだから、すぐに目を覚ますべきよ。
 ムジナは更に激しく一角大雪兎の体を揺さ振り始めた。それでようやく目を覚ました一角大雪兎は、寝惚けているのであろう、目を擦りながら、「なんだ、もう朝ご飯の時間か」と問いかけてきた。
 彼女は、腫れ上がった額を右足で示しながら、こう言った。
 違うわよ、兎。タンコブがおでこにできて、痛くて堪らないから、起こしたのよ。さあ、早く私のおでこを元に戻してよ。
 一角大雪兎は、一見すると、目付きが悪く、白くて大きな兎にしか見えないけれど、様々な自然科学に精通していた。そのため、ムジナだけではなく、船員達の怪我や病気の手当てをするだけではなく、彼らの健康管理まで行っていた。正確な海図を書くだけではなく、船医として、彼は船には必須の存在になっていた。
 一角大雪兎は、ムジナのタンコブを見るや否や、呆れた様子で尋ねた。
「どうして、タンコブができたんだ。」
 そんなことはどうでもいいじゃない。とっても痛いのよ。早くタンコブを治してよ。
 一角大雪兎が持っている薬で、あるいは新たに調合した薬で船員達の怪我や病気を治すところを近くで具に見ている彼女は、何の迷いもなく彼にそう言った。しかし、一角大雪兎は「どうせ何か悪戯をしてタンコブを作ったんだろうが、そのまま放っておいてもすぐに直る。自業自得だと、諦めて眠るんだな」とつれなく突き放すと、彼女に背を向けて、横になった。
 彼のあまりに酷薄な仕打ちを目にし、ムジナは再び一角大雪兎の体を激しく揺すぶり始めた。
 愛くるしい私が痛みに苦しんでいるのよ。かわいそうと思わないの。それによ、このままだと、私は死んでしまうかもしれないわ。「痛いよ。死んじゃうよ」と泣き叫んでいる小さな子供が傍らにいるのに、その訴えに耳を傾けず、眠り続け、殺したとあったら、兎は「人でなしめ。目付きが悪いだけではなく、性根まで腐りきっている」と後ろ指を差されることになるわよ。それでもいいの。それが嫌だったら、タンコブに薬を塗って、早く治してよ。
「煩いな。眠れないだろうが。」
 煩わしそうに起き上がると、一角大雪兎は、ムジナを睨み付けた。
「それで、俺にどうして欲しいんだ。」
 あんたがいつも他の人にやっているように、お薬を塗ってよ。そうすれば、きっと私のタンコブはたちまちに治るわ。
 炎症を押さえたり、痛みを取ったり、熱を下げたり、様々な効能が薬にあるのは事実であるが、病気や怪我を治すのは、生体の有する免疫力や再生能力であり、薬はあくまでその手助けをするだけである。薬に過剰な期待を寄せるのは、主客顛倒、本末転倒な話であった。だから、一角大雪兎は、再び彼女を冷たく突き放した。
「唾でも塗って置け。その後、眠れば、朝には痛くなくなっている。」
 怪我をした動物は、傷口を舐めて、傷を癒す。何もそれは動物だけではなく、指を怪我した時、何の躊躇も感じることなく、小さな子供は指を口の中に入れる。唾液に止血効果と殺菌効果があることを本能的に知っているからである。ムジナも例外ではなく怪我を負った時、傷口をペロペロと舐める。しかし、ムジナは、唾液より人間の薬の方が効果を持っていることを知っていた。彼女は、不満気な表情を浮かべ、タンコブに効く薬を出すように迫った。
 私は、そんな嘘が通用するような小さな子供じゃないのよ。さあ、タンコブに効く薬を出して貰おうじゃない。じゃないと、私は一晩中騒いで、あんたを眠らせないようにするわよ。
「世話のかかるムジナだ。」
 彼は投げやりな様子でそう呟いた後、枕元に置いてあったリュックサックの中を覗き込んだ。
 あくまでタンコブに効く薬を探す振りをしているだけである。タンコブから出血をしているのなら、消毒をした後、止血剤を塗ったりして手当てをすることも可能であるが、ただのタンコブをたちどころに治す薬などこの世に存在していないのだから。手当てと言っても、普通は患部を冷水などで冷やし痛みを軽減するのが関の山である。彼が魔法でも使えるのならともかく、それ以外タンコブに対する有効な治療法は存在しないのだから。しかし、薬の効力を過大評価しているムジナにそのことを説明しても、「けちな兎ね。早く薬を出してよ」と文句を言われるのが関の山である。そんな彼の目に、ペパーミント味の歯磨き粉が入った。
 その歯磨き粉は、虫歯の予防のためだけではなく、歯肉炎の予防のために、彼の自作の品であり、消炎効果を有し、歯肉炎の予防にも良いとされている薄荷をふんだんに使用していた。しかも、皮膚に塗ると、薄荷はスースーとして心地良い。歯磨き粉もペースト状であり、見るからに軟膏である。タンコブの治療にどれほどの効果を発揮するか、未知であったが、少なくともそれを塗ってタンコブの具合が悪化することは考え難かったし、何よりムジナを納得させることができた。彼は、ペパーミント味の歯磨き粉を取り出すと、こんもりと盛り上がったムジナのタンコブの上に優しく塗り始めた。
 歯磨き粉を塗られた瞬間、刺激的な痛みが彼女のタンコブに走った。「何をするのよ、兎、と文句を吐ける」のとほぼ同時に、今度はタンコブがスースーとし、それまで彼女を悩ましていたタンコブの痛みが嘘のように退いていった。あまりに劇的な症状の緩和に驚き、ムジナは何度も目を瞬かせた。そんな彼女の鼻に、嗅ぎ憶えのある薄荷の匂いが届いた。
 女の子であり、ムジナは甘い物に目がなかった。その中でも、薄荷飴が彼女のお気に入りであった。えも言われぬ薄荷の甘美な香にうっとりとした表情を浮かべつつ、この香は薄荷じゃない。素敵だわ、と言った。
 ムジナの口封じのために薄荷味の歯磨き粉を塗っただけだが、予想外の薬効に、一角大雪兎は一瞬驚いて様子を見せた。しかし、すぐに不機嫌そうな表情に戻ると、「薄荷は医者いらずとも言われ、様々な薬効があるからな」と尤もらしいことを言った後、彼女に背を向け眠り始めた。
 一方、身を以って薄荷の底知れないパワーを体感したムジナは、「そうか、怪我をしたら、薄荷飴を貼り付ければいいんだ。今度怪我をしたら、試してみよう」と考えた。そんな彼女も昼間の疲れから何時しか眠りに就き、すやすやと静かな寝息を立て始めた。

第6回 独立試行の確率と2項分布の問題 [ネコ騙し数学]

第6回 独立試行の確率と2項分布の問題


問題1 ❍、☓で答える6つの問題が与えられている。いまこの解答にするのに何も考えずにでたらめに❍、×をつけるとき、そのうちの正解数をXとする。

(1) X≧3になる確率を求めよ。

(2) Xの平均値(期待値)と標準偏差を求めよ。

【解】

正解数の分布は2項分布


(1)

  


(2) 平均値mと標準偏差σ

  

(解答終了)

 


問題2 日本人の血液型の10人に3人の割合がO型である。5人の日本人を選んだとき、そのうちのO型の人数をXとする。

(1) Xはどのような分布に従うか。

(2) Xの期待値と標準偏差を求めよ。

(3) 南方系のある人種から5人を選んだとき、そのうちの4人が O型であった。この人種が日本人よりもOがたが多いと判定したときの危険率を求めよ。

【解】

(1) 2項分布B(5,0.3)に従う。

(2) 平均値をm、標準偏差をσとすると、

  


(3) 日本人とO型の割合が等しいと仮定する。

つまり、p=0.3として、P(X≧4)の確率を計算すると

  

よって、危険率は3%である。

(解答終了)


危険率については検定であらためて説明することにするが、

「南方系のある人種の人たちに占めるO型のヒトの割合が日本人のそれと等しい」という仮説を立てると、5人中4人がO型である確率は0.03で非常にまれなことが起きているということになる。



問題3 さいころを50回投げるとき、1の目が出る回数をXとする。

(1) Xがいくらのとき確率は最大になるか。

(2) Xの平均値を求め、(1)で求めた値と比較せよ。

【解】

1の目が出る回数は2項分布に従う。


(1) X=kのとき確率が最大とすると、

  

よって、8回のとき最大。

(2) 平均値(期待値)は

  

8は平均50/6に最も近い整数である。

(解答終了)


タグ:統計

駱駝 3章の続き10 [ラクダ]

 その後、ムジナは、文字通りの狸寝入りをして、麗しの猫がすやすやと静かな寝息を立てるのを待った。麗しの猫が静かな寝息を立てると、ムジナは彼女が真っ二つにした石を近くに引き寄せ、その切り口をまじまじと覗き込んだ。
 鋭利な刃物で大根を切断したような綺麗な切断面であった。「あの猫は包丁要らずね。兎のマイ包丁とどっちが良く切れるのかしら」と暢気なことを考えながら、何か手品を使ったに違いないと、引き寄せた石に噛り付いてみた。
 柔らかいのかしら、と思ったけれど、普通の石じゃない。何で、猫の手で石を割ることができたのだろう。
 ムジナはペタンと腰を下ろすと、その秘密を解明しようと、腕組みをして考え始めた。
 石を割ることは一見難しく思えるが、実は簡単なのかもしれない。そんなことはできないという思い込みがマイナスエネルギーを周囲に放出し、そのマイナスエネルギーが体に悪影響を及ぼし、石を割らせないのかもしれない。お腹が空いて空いて死ぬのではと思う時にご飯を食べると、ご飯に食べることに熱中して、熱さ寒さを感じないじゃない。それと同じで、できるという確固とした確信が信じられないエネルギーを生み出すのかもしれない。だとすれば、石が割れると思い込めば、わたしでもあの猫のように石を前肢で割れるのかもしれない。
 随分と屈折した論理であるが、思い込めば石を割れるという結論に到達したムジナは、近くの石を拾い上げると、それを銜えて森の中に入っていった。麗しの猫の姿が見えない所にまで来ると、彼女は加えていた石を放り投げ、麗しの猫がしたのと同じように落下する石を横薙ぎにした。
 石は無残に地面に落ちた。真っ赤に腫れ上がった右の前肢に息をフーフーと吹きかけながら、彼女は無残に地面に転がっている石を見た。
 何で、石が割れないのよ。変じゃない。
 猫とムジナでは手の形が違うからだろうか。ムジナは、猫のように器用に前肢を使えないものね。有り得ない話ではないわ。
 確固とした信念があれば、どのような難事も解決できると信じて疑わない、良く言えば理想主義者、悪く言えば無知のムジナは、再び腕組みをして、どのようにすれば石を割れるか考え始めた。
 なかなかの難問ね。そう言えば、父ちゃんが私のカイのおでこを嘴で突ついた時、私が、「父ちゃん、酷い」と文句を付けたら、人間の骨でおでこの骨は一番硬くて丈夫なんだ、と言ったことがあったわね。人間がそうなら、きっとムジナも一緒よね。
 その結論に達したものの、頭突きで石を割ることはさすがに躊躇われた。そこで、彼女は、本当に大丈夫であろうかと、恐る恐る石に軽く頭突きをしてみた。
 痛くないわ。これなら、大丈夫ね。
 自分の結論に更なる確信を深めた彼女は、石を口に銜え、空高く石を放り投げた。石が落下してくると、石を木っ端微塵に粉砕するために、それをめがけ思いっきりジャンプした。
 空手の試割りなどで、高く積まれた瓦や氷柱を数枚重ね、気合と共に頭突きで一気に割るデモンストレーションをすることがある。そのことから容易に推測できるように、一見原始的に見える頭突きは、空手のパンチやキックに匹敵する恐るべき破壊力を有する技である。とは言え、それは死ぬような修行をした後に初めて可能になる技であり、素人の頭突きが破壊力に飛んだ攻撃であることを意味しない。案の定、落下する石にジャンプまでして頭突きを食らわせた彼女の目に火花が飛んだ。それだけでは済まず、彼女のおでこには大きな瘤ができてしまった。おでこを襲う激しい痛みから、彼女は瘤を前肢で押さえながら暫く地面に伏せた。痛みが少し退き、何とか動けるようになると、彼女は円らな瞳に大粒の涙を幾つも浮かべ、自分の窮状を告げるために一角兎の所に向かい歩き始めた。


第5回 独立試行と二項分布 [ネコ騙し数学]

第5回 独立試行と二項分布


§1 独立試行の確率

1回の試行で事象Aの起こる確率をpとすると、この試行をn回繰り返した場合、事象Ar回起こる確率

  

である。

 


問1 袋の中に赤球1個、白球4個が入っている。この中から1個取り出して、もとに戻すことを3回繰り返す。この場合、赤の出る回数をXとして、Xの確率分布を求めよ。

【解】

取り出した球を戻すので、赤球の出る確率p=1/5、白球の出る確率q=4/5

この問題の場合n=3

Xの取りうる値は0123

X=rの時の確率をP(X=r)と書くことにすると、
  statics-05-01.png

したがって、確率分布は次のようになる。

  statics-tab-05-01.png

(解答終了)


この問題には出ていないけれど、赤球の出る回数rの期待値m

  

である。


§2 2項分布


変量X01、・・・・・・、nの値をとり、それらの値をとる確率が

  

で与えられる確率分布を2項分布という。

その平均・期待値m、標準偏差σ

  

である。

(2)、(3)を使えば、問1の平均値、標準偏差は

  

と、複雑な計算をすることなく、すぐに求めることができる。

 


【(2)の証明】

  

2項定理より

  statics-05-02.png

xで微分すると、
  statics-05-03.png

x=1を代入すると、

  

p+q=1だから

  

(証明終わり)

【(3)の証明】

  

また、

  

よって、
  

ここで、①の両辺をxで微分すると、

  statics-05-06.png

x=1を上式に代入すると、

  statics-05-07.png

これを②に代入すると、

  

(証明終わり)


問2 10%の不合格品を含む同じ製品の一山がある。この中から任意に4個を取り出すとき、その中に含まれる不良品の数Xで確率分布の表で示し、Xの平均値、標準偏差を求めよ。

【解】

X=rである確率

  statics-05-08.png

したがって、確率分布表は

statics-tab-05-02.png

  

したがって、平均値=0.4、標準偏差=0.6

(解答終了)



問題 1回の試行で事象Aの起こる確率がpであるとき、n回の試行の内、事象Aが最も起こりやすい回数を求めよ。

【解】

r=kのとき、確率が最大になるとすると、

  

したがって、

  

そこで、①より
  statics-05-09.png

②に対しては、③のkk+1と置き換えて、不等号の向きを入れ替えると、

  

③と④より、

  

を満たす整数kのとき、事象Aは最も起こりやすい。

(解答終了)



問3 1個のさいころを40回投げるとき、1つの目が何回出る確率が最も高いか。

【解】

n=40p=1/6

(4)より
  statics-05-10.png

よって、6回のとき確率は最大になる。

(解答終了)
タグ:統計

駱駝 3章の続き9 [ラクダ]

 戦の女神を奉る神殿に居候になっているムジナは、身近で人間の格闘術を具に目にし、それがどのようなものであるか見知っていた。麗しの猫の見せた一連の攻撃は、猫族本来の攻撃法ではなく、明らかに人間の格闘術の一つである空手の影響を色濃く受けていることを見て取ることができた。しかも、かなりの技量である。何故、猫が空手を知っているのか疑問に思い、ムジナは思い切って麗しの猫にそのことを尋ねてみた。
 さっきのは空手でしょう。私セイラ姉ちゃんが空手の稽古をしているのをいつも見ているからすぐに分かったわ。でも、どうして猫が空手を使うのよ。
 ただの狸と思っていた彼女の口から「空手」と言う予期せぬ言葉に、それまでうつらうつらと眠っていた麗しの猫は、一瞬、目を見開き、驚いた様子を見せた。しかし、すぐさま目を閉じ、いつものように無視し始めた。
 ねえねえ、何でもよ。何で猫が空手を知っているのよ。
 煩くつきまとうムジナに閉口し、麗しの猫は彼女の顔に軽い猫パンチを食らわし、口を塞ぐと、煩わしそうに話し始めた。
「昔の飼い主が空手をやっていた。それを見ているうちに覚えただけ。私は疲れているの。だから、静かにしなさいよ、あんた。」
 哺乳動物一の運動能力を有する猫にしても、空手を側で見ているだけで、空手の技を覚え、使えるようになる筈がない。犬科の動物に比べると、前足を自由に使える猫でさえ、骨格上空手の技は使えないのである。しかも、麗しの猫がハブに見せた猫パンチは、普通の猫の猫パンチとは違って、人間のそれとは多少異なっていたが間違いなく空手の正拳突きであった。血の滲むような稽古をしないと、猫が正拳突きを繰り出すことはありえないのだから。ムジナは投げやりな彼女の返答に満足せず、なおも執拗に彼女に食い下がった。
 このままだと事態が収束しない。麗しの猫は、億劫そうに体を起き上がらせると、徐に話し始めた。
「まだ私が小さくて物覚えがつくかつかないかくらいの時に、空手家の家に私は貰われたのよ。まだ小さくて物が良く分からなかったから、私は自分が猫ではなく人間だと思い込んだのよ。子供が親の真似をするように、私も見よう見まねで空手を始めたというわけ。たぶん、わたしは空手の才能を持っていたのね。そして、世界初の猫の空手家が生まれたというわけよ。眠いんだから、これでいいでしょう。」
 納得できない点が多数存在したが、ムジナはなるほどと頷き返した。それから、彼女は空手の技を幾つか見せるように頼んでみた。
「仕方がないわね。」
 麗しの猫は、そう言うと、近くの意志を一つ拾い上げ、空に放り投げた。
「空手は見世物ではないから、一度きりね。」
 麗しの猫はそう言うと、落下してくる石に空手チョップを見舞い、真っ二つにした。電光石火の早業で、何が起きたのか理解できなかった。ムジナは、真っ二つになり地面に落下した石を暫く呆然と見詰めた後、前肢をぱちぱちと打ち合わせた。
 凄いわ、猫。ねえ、一体どんな技を使ったの。教えてよ、猫。
「静かになさい。兎は私を背負って疲れているんだから。それ以上騒ぐと、力ずくで黙らせるわよ。」
 宙に浮かんでいる石を割るには人間ばなれしたスピードが必要である。血の滲むような修行をした後に得られる境地であった。空手の達人と言っても過言ではない麗しの猫の空手チョップを受けたら、どのような被害を体に受けるか分からなかった。ムジナはまだ聞きたいことが山のようにあったが、口を噤まざるを得なかった。

第4回 確率分布2 [ネコ騙し数学]

第4回 確率分布2


分布関数と確率密度関数


変数Xが連続な値をとるとき、X連続型の確率変数といい、X<xである確率P(X<x)

  

で与えられるとき、F(x)分布関数といい、その導関数

  

x確率密度関数という。

  

だから

  

で、xがある範囲にに存在する確率は、y=f(x)のグラフのその範囲の面積と等しい。

変数Xの変域をa≦x≦bとし、確率密度関数をf(x)、平均をm、分散をσ²とすると、

  s-siki-04-01.png

である。

  

となり、

  

と書くと、分散V(x)

  

になる。

 


問題1 確率変数Xの従う確率分布の密度関数f(x)

  s-siki-04-08.png

であるとき、次の問いに答えよ。

(1) P(3≦X≦5)の値を求めよ。

(2) P(7≦X)の値を求めよ。

(3) Xの平均E(X)を求めよ。

(4) Xの標準偏差D(X)を求めよ。

【解】


(解答終了)


問題2 あるバスの停留所の発車時刻は毎時0分、15分、35分の3回である。この発車時刻をまったく知らない人が、停留場へ来て待たされる時間の期待値を求めよ。

【解】

この人が停留所に来る時刻をx分とすると、待ち時間t

  

確率密度f(x)は一様分布と考えられるので、

  

とすると、

  

したがって待ち時間の平均・期待値E(t)
  

(解答終了)



問題3 連続的な値をとる確率変数xがあって、その確率密度がAを定数として、

  s-siki-04-05.png

とするとき、となるようなaの値を求めよ。

【解】
  s-siki-04-06.png

したがって、

  s-siki-04-09.png

a=0.2とすると、

  

よって、a=0.2

(解答終了)


なのですが、a=0.2であることに気づく人はどれだけいるのだろう。

  

試験会場で、これはチョット気づかないだろう。

条件より0<a<0.5で、

  

だから、a=0.2と気づけということか。

とおくと、

  

s-tab-04-01.pngだから、ニュートン法

  

を用い、x₀=0として計算すると、次のようになる。

計算の初期値としてx₀=0.232を選べば、1、2回計算すれば、a=0.2であることに気づくのではないか。



問題4 半径aの円Oの周上の1点Aから任意の方向に弦を引くとき、それらの弦の長さの平均を求めよ。

また、弦の長さが半径より大となる確率を求めよ。

【解】

statics-fig-01.png円の中心Oを原点、A(−a,0)B(a,0)とし、周上の点をPとする。

APx軸のなす角をθ(−π/2≦θ≦θ/2)とすると、弦APの長さl

  

θを確率変数とし、一様分布

  

と仮定すると、

  

したがって、弦の長さの平均は
  s-siki-04-07.png

AP>aになるのは、

  

したがって、弦の長さが半径より大きい確率は

  

(解答終了)

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