So-net無料ブログ作成

セイラ4 2章の続き26 [セイラ4]

 悪夢

 

 その夜、セイラは、悪夢で目を覚ました。同時に、彼女の胸の谷間に顔を押し当て眠っていたホトトギスも目を覚ました。二人は黙って暫く違いの顔を見詰め合った。

「セイラ、僕はおっかない夢を見たんだ。」

 ホトトギスは、そう言った後、自分が見た夢をセイラに話し始めた。

「僕がカイになって、カイが僕になったんだ。以下、面倒臭いから、僕がなったカイをホトトギスカイ、カイがなったホトトギスのことをカイホトトギスと呼ぶね。ホトトギスカイの僕がセイラといつものように遊んでいると、カイホトトギスが突然乱入してきて、『ふん、馬鹿が。俺様から逃げれるもんか』と言って、僕の頭に飛び上がると、鋭い嘴で何度も頭を突つくんだ。たんこぶの上を何度もつついて、たんこぶの上に幾つもたんこぶの山を築いたんだ。そして、気を失った僕の額に乗ると、カイホトトギスが雄叫びを上げ、『これでセイラは俺様のものだ』と言ったんだ。ところが話はそれだけでは終わらなかったんだ。突然、場面が変わって。今度は、僕がお花畑で鶯と遊んでいると、突然、鶯が僕の顔を見て、おかしな事を言い出したんだよ。『お前、嘴がないぞ。一体どうしたんだ。』そんな馬鹿な、と思って、右の翼で嘴を触ろうとしたら、鶯の言う通り、本当に嘴がなかったんだ。唖然とする僕の前で、今まで僕と遊んでいた鶯が不気味に笑い出し、『俺がお前から取ってやったんだ』と言って、カイに変身したんだ。僕はその姿を見て驚いたよ。カイの額にホトトギスの特大サイズの嘴が付いているんだもん。『ほら、逃げろ。さもないと、この嘴で一突きだからな。』僕は逃げ出したんだ。恐怖のあまり、空に逃げさることも忘れて、ただひたすら走って逃げたんだ。でも、幾ら逃げても、カイから離れられないんだ。その時の恐怖と言ったらなかった。そんな僕を嘲笑いながら、嘴を付けたカイがこう言ったんだ。『お前のその哀れな羽は飾りかい。お前は飛べないのかい。』僕は、自分がホトトギスであることを思い出し、空に逃げようとしたんだ。でも、幾ら羽ばたこうが、僕の体は空に浮き上がることがなかったんだ。変だなあと思って、翼を見ると、嘴だけじゃなく、翼もなくなっていたんだ。あるいはと思ってカイを一瞥すると、カイは僕の翼を付けて、僕の頭の上を旋回していたんだ。そして、頭上から巨大なカイホトトギスの嘴の攻撃を受けて、終には息絶えたんだ。息絶えた僕の体を、カイホトトギスは、奇妙な鳴き声を上げて貪り始めたんだ。ああ、今、思い出しても、身が竦んじゃうよ。」

 ホトトギスは、涙声でセイラに助けを求めると、彼女の胸の間に顔を埋めて、大声を上げて泣き始めた。

 実は、セイラも同じような夢を見ていた。奇妙な夢の一致に驚き、セイラは自分の見た夢の話をホトトギスに話し始めた。

「実は、私も同じような夢を見たのよ。」

 セイラがそう言うと、子供のように泣きじゃくっていたホトトギスが顔を上げた。セイラは、その顔を見ながら、さらに話を続けた。

「私が寝台に寝ていると、『姉ちゃん起きろ』というカイ君の声がしたのよ。で、その声で目を覚ましてカイ君の顔を見ると、カイ君の額にあんたの嘴が生えているのよ。もちろん、あんたのよりもずっと大きいのよ。『姉ちゃん、凄いだろう』と言うカイ君に、『どうしたの、カイ君』と尋ねたら、『ホトトギスを殺して取ったんだ」と言うのよ。まさかと思って、テーブルの上を見ると、嘴を失ったあんたが死んでいたのよ。そして、カイ君が今までの態度を豹変させて私を襲ってきたのよ。そして、私を殺して、私の体を食べ始めたのよ。どういうわけか、私の首があんたの屍体の隣に置いてあって、その首が、カイ君が私の体を食べている姿を見ているのよね。嘴を付けたカイ君があんたの時々上げる奇妙な声を上げたところで、私は目を覚ましたのよ。」

 セイラとホトトギスは、再び互いの顔をじっと見詰めた。そして、同じことを同時に考えたらしく、一緒に寝台を出て、幸福そうな笑顔を浮かべて眠っているカイの顔を覗き込んだ。

 


第11回 合成関数の微分法2 [ネコ騙し数学]

第11回 合成関数の微分法2

 

定理12

関数f(x,y)が領域Dで全微分可能であり、関数φ(t)ψ(t)が区間Iで微分可能かつφ(t),ψ(t)∈Iであれば、合成関数F(t)=f(φ(t),ψ(t))は区間Iで微分可能で

  
が成り立つ。

z=f(x,y)x=φ(t)y=ψ(t)とすると、

  

【証明】

φ(t+τ)–φ(t)=h(τ)ψ(t+τ)–ψ(t)=k(τ)とする。

  

関数fは(全)微分可能だから、

  

τ≠0のとき、
  

τ→0のとき、φ(t)ψ(t)は微分可能だから

  

また、

  

よって、F(t)は微分可能で、

  

になる。

(証明終)

 

インチキだが、上の証明よりも、機械的に次のようにしたほうが直観的にわかりやすいだろう。

  

これをdtで割ると、

  

 

問1 z=z(x,y)級とする。次の関係から、を求めよ。

【解】

だから、

  

(解答終了)


 

定理13
z=f(x,y)
が全微分可能なとき、x=x(u,v)およびy=y(u,v)u,vの微分可能な関数な関数ならば、合成関数f(x(u,v),y(u,v))u,vの微分可能な関数であって、

  

である。

【証明】

vを固定すると、z=f(x(u,v),y(u,v))uの関数と考えることができるので、定理12より

  

同様に、uを固定すると、

  

である。

(証明終)



行列を用いて書くと、

  


 

問2 z=f(x,y)において、直交座表xyx=rcosθy=rsinθによって極座標rθに変換するとき、次の関係が成り立つことを示せ。

  

【解答】

(1)

  

 

(2)

  

 

(解答終)

 

(2)は、ラプラスの方程式を極座標に書き換えたもので、

  

と書いたほうが覚えやすいのかもしれない。

 


この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。