今日のアニソン・アーカイブ 東方から『てゐキャロット』 [今日のアニソン・アーカイブ]
セイラ4 3章の続き1 [セイラ4]
黒いローブを身に纏ったクロウリーが、室内にある大きなテーブルの上に女性を横たえ、その女性を動物の油で作った黒いローソクで取り囲み、奇妙な儀式を行っていた。儀式が終わると、テーブルの上に乗っていた女性の姿が徐々に揺らぎ始め、その水晶球に吸収され、完全に水晶球に吸収されると、その水晶球が不気味な光を放ち始める光景が、映画の早送りのように、そこに映し出されていた。
「見たでしょう、セイラ。クロウリーは、こうやって、この水晶球を作ったんだ。とんでもない奴だと思うでしょう。こんな悪の魔術師を世の中に放置してはいけないよ。一緒に退治しよう。」
「そうかしら、退治すべきなのは、クロウリーさんじゃなくて、あんたのほうだと思うんだけど、あんたはどう思う。」
完璧なはずなのに、どうしてばれたんだろう。
ホトトギスは、微かにたじろいだ。そして、食器棚に近寄ると、今度は、クロウリーが精魂込めて霊を閉じ込めた不気味な光を放ち続けている秘石を持って来て、それを水晶球の隣に置き、その二つを共鳴させ、部屋の壁に不気味な像を投影させた。
「これは、破壊の女神、エンギルガメシュと言うんだ。クロウリーは、この破壊の女神に夜な夜な若い女の子を捧げて、それを覚醒させようと企んでいたんだ。だから、こんなに邪悪な魔術師はを放っておけないよ。」
そして、ホトトギスは、投影された像に近づき、箒を持って、破壊の女神の説明を始めた。
「頭は、蛙と蛇に亀。蛙の口からは酸を吐き、蛇の口からは毒液、でも本当に恐ろしいのは亀の口。この口から様々な病を撒き散らすんだ。そして、体はライオンで、前足は山羊、後ろ足は羊なんだ。翼はカラスで、尾っぽは鰻。キメラにすこし似ているけれど、その戦闘力はキメラとは比較にならない。そして、クロウリーはこの破壊の女神を召喚して、世界を破滅の渕に追い込もうとしている。なんたって、クロウリーはネクロマンサー。その死霊召喚の術を使って死者を配下にし、世界を統べようと考えているんだ。」
良くまあ、これほどの荒唐無稽な話を短時間に作り上げ、真剣な顔で嘯けるものだ。
セイラは、ほとほとホトトギスに呆れ果てた。
「それで、話は終わりなの。」
「セイラ、まだ、話を聞きたいの。どうしてもと言うのなら、更に補足説明をするけど、長くなるよ。それでもいいの。」
さすがのホトトギスも、もうネタ切れであった。そこで、どんな話をでっち上げようかと、室内を見回した。昼間だというのに、ゴキブリが壁を上っているのを見付け、これで行こうと思った。
ホトトギスは、指を鳴らすような音を右の翼で鳴らすと、壁に映し出された像を切り替えた。その像は、ゴキブリの体の上に牛の首と馬の首、さらに人間の手と足がついているという、いかにも不格好でユーモラスなものであった。
「これが破壊の女神、エンギルガメシュの忠実な配下、フンガメ。大きさは人間くらいだけど、ゴキブリのように、強靭な生命力を有し、空を飛ぶことだってが出来るんだ。」
その後も、セイラとホトトギスの間で、同じような遣り取りが一時間ほど続いた。そして、セイラは、ますます嘴が冴え渡るホトトギスに根負けしてしまった。彼女は、椅子に腰を下ろすと、カイの用意してくれたお茶に一口付け、「あんたの勝ちだわ」と言って、ホトトギスを招き寄せた。
「それで、あんたはどうして欲しいわけ。怒らないから、言ってみなさい。」
ホトトギスは、セイラのカップの隣に舞い下りると、嘴を右の翼で何度も叩いてから、彼女に嘴を突き出した。
セイラは、床に転がっているホトトギスを一瞥してから、カイに質問した。
「ところで、カイ君。クロウリーさんは何処に行ったの。」
「馬の所だよ。よっぽど会いたかったんだろうね。行ってから、一時間くらい経つけど、まだ戻ってこないもの。」
クロウリーと馬という名の牛は、ペットと飼い主という関係ではなく、友人あるいは家族と言ったかなり強固な絆で結ばれていた。そのことを思い出し、セイラは床で死に真似をしているホトトギスを呼び寄せた。
2次曲線の極座標表示 [ネコ騙し数学]
2次曲線の極座標表示
§1 楕円
楕円の焦点をF(c,0)、F'(−c,0)とし、楕円上の動点をP、FP+F'P=2aとする。
FP=r、x軸とFPのなす角度をθとする。
△FF'Pに対して余弦定理を用いると
a≠0だから、右辺の分母、分子をaで割ると、
ここで、
とおくと、楕円の極座標表示の方程式(※)は
半直弦とは、θ=π/2のときのFP=rのこと。
このことは、θ=π/2のときcosθ=0になるので、(1)式より
となることより明らかだろう。
また、楕円(a≧b)の場合、
離心率εは
である。
a=bのときは円でε=1である。
(※) この場合
という対応関係にあることに注意!!
§2 双曲線
双曲線の焦点をF(c,0)、F'(−c,0)とし、右側の双曲線について考えることにする。
双曲線上の点をPとすると、双曲線の定義から
FPとx軸のなす角度をθとし、△FF'Pについて余弦定理を用いると、
FP=rとすると、
ここで、aで右辺の分子分母を割ると、
ここで、
とおくと、
c>aだから双曲線の離心率ε>1である。
§3 放物線
放物線の焦点F(p,0)(p>0)、準線をx=−p、さらに放物線上の点をPとし、準線x=−pにPからおろした垂線の足をHとする。
放物線の定義からHP=FP。
FP=r、線分FPとx軸のなす角度をθとすると、
l=2p、ε=1とすれば、
の形になるので、放物線の離心率ε=1。
ということで、2次曲線は
0≦ε<1のとき楕円(ε=0のとき円)
ε=1のとき放物線
ε>1のとき双曲線
になるという話でした。